肝炎

肝炎の原因

肝炎の主な原因

肝炎を引き起こす原因は様々ですが、日本では「肝炎ウイルス」への感染が主な要因となっています。

ウイルス性肝炎
A型、B型、C型、D型、E型などの肝炎ウイルスに感染することで発症します。特に、B型肝炎ウイルス(HBV)とC型肝炎ウイルス(HCV)は、持続感染している方が多く、肝硬変や肝がんの主要な原因となります。
アルコール性肝炎
長期間にわたる過度な飲酒が原因です。
薬物性肝炎
治療薬やサプリメント、漢方薬などが原因で起こることがあります。
自己免疫性肝炎
免疫システムが誤って自身の肝細胞を攻撃してしまうことが原因です。
MASH(代謝機能障害関連脂肪性肝炎)
肥満や糖尿病などの生活習慣病が原因で、肝臓に脂肪がたまって炎症が起きる病気です。
健康な肝臓

肝炎を放置するリスク - 肝硬変、そして肝がんへ

肝炎による炎症が長く続くと、傷ついた肝臓を補強しようと「コラーゲン線維」という物質が増え、肝臓が次第に硬くなってしまいます。皮膚の傷に「かさぶた」が出来て治るプロセスの様なイメージです。この修復の過程で、「コラーゲン線維」という、かさぶたの材料のような物質が肝臓内に少しずつ蓄積され、肝臓は次第に硬くなっていきます。この状態が「肝線維化(かんせんいか)」です。さらに線維化が進行し、肝臓全体が硬くゴツゴツとした状態になってしまったものが「肝硬変」です。

肝硬変に至った肝臓は、いわば「がんの一歩手前」とも言える非常に危険な状態です。長年の炎症で細胞の破壊と再生が繰り返された結果、がん細胞が生まれやすい土壌になってしまっているのです。 特に、肝炎ウイルスはこのプロセスを引き起こす最大の要因であり、肝がんの発生リスクを他の要因と比べて桁違いに高めます。実際に、1日のアルコール摂取量が40g以上の人で4.36倍、肥満(BMI25以上)の人で4.57倍とされるリスクに対し、B型肝炎ウイルス(HBV)感染者は45.8倍、C型肝炎ウイルス(HCV)感染者は101倍にも跳ね上がります 。(出典2)

この数値は、肝炎ウイルスがいかに強力な発がんリスクであるかを明確に示しており、まさに「がんウイルス」と呼んでも過言ではありません。だからこそ、症状がなくても検査で早期に発見し、対策をとることが将来の肝がん予防に直結するのです。

監修
考藤 達哉 先生 (国立健康危機管理研究機構(JIHS)国立国際医療研究所
肝炎・免疫研究センター研究センター長 / 肝炎情報センター長)

(出典1) 令和2年度 肝炎ウイルス検査受検状況等実態把握調査(国民調査)
(出典2) 肝がん白書令和4年度| 一般社団法人 日本肝臓学会
(出典3) Burden of chronic hepatitis B and C infections in 2015 and future trends in Japan: A simulation study

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