肝炎
肝炎の検査
あなたと大切な人を守る「肝炎ウイルス検査」
ここからは、この記事の最も重要なテーマである「検査」についてです。なぜ検査が必要で、どこで受けられるのか、具体的な情報をお伝えします。
なぜ「一生に一度」の検査が必要なの?
1.知らないうちに感染している可能性があるから
自覚症状がないまま感染しているケースがほとんどです。
2.早期発見すれば、肝硬変や肝がんといった重い病気への進行を防げるから
肝硬変や肝がんになる前に発見し、治療を始めることが極めて重要です。
3.大切な人にうつさないため
自分が感染していることに気づかなければ、無自覚のうちに家族やパートナーなどに感染を広げてしまうリスクがあります。
特に注意したいのが、「毎年、会社の健康診断を受けているから大丈夫」という思い込みです。一般的な健康診断の血液検査には、「AST(GOT)」や「ALT(GPT)」といった肝機能を示す項目は含まれていますが、原因であるウイルス感染の有無を直接調べる「肝炎ウイルス検査」は、基本項目には含まれていないことがほとんどなのです。
また、肝炎ウイルスは血液や特定の体液を介して感染するものであり、握手や食事、入浴といった日常的な接触で感染することはありません。そのため、一度検査を受けて陰性であれば、その後は他人のカミソリや歯ブラシを使ってしまったなど、感染の可能性がある特別な状況を除き、再度の検査は基本的に不要です。
どこで、いくらで受けられるの?
「場所がわからない」「費用が心配」といったご不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、肝炎ウイルス検査は、私たちが思うよりずっと身近で、負担も少なく受けられるよう整備されています。
- 保健所や一部の医療機関全国の多くの自治体では、肝炎ウイルス検査を無料または一部自己負担で実施しています。これは国の重要な肝炎対策の一環です。
- 職場の健康診断や人間ドックオプションとして肝炎ウイルス検査を追加できる場合があります。
- かかりつけの医療機関もちろん、かかりつけの病院やクリニックで相談することも可能です。
詳しくは「肝ナビ」で検索してみてくださいね!
どんな検査で、結果はどうやってわかるの?
「検査」と聞くと、時間がかかったり、大変だったりするイメージがあるかもしれませんが、肝炎ウイルス検査はとてもシンプルです。
- 検査方法検査は、腕などから少量の血液を採る「血液検査」で行われます。特別な食事制限などもなく、短時間で終わります。この血液で、B型肝炎ウイルス(HBV)やC型肝炎ウイルス(HCV)に感染しているかどうかを調べることができます。
- 検査のステップと結果の受け取り検査を受ける場所(保健所、医療機関など)を決めて予約し、採血を受けるのが基本的なステップです。採血後、 結果は1~2週間ほどでわかり、医師や看護師から口頭で説明を受ける場合や、書面で検査結果を受け取る場合など、様々です 。結果を確実に手元に残すためにも、検査を受ける際に「結果はいつ頃、どのような形で教えてもらえますか?」と事前に確認しておくと安心です。
「いつの間にか」受けているかも?自分の検査歴、確認できていますか?
「検査を受けた記憶がない」という方でも、実は妊婦健診・手術前の検査・献血の際に知らないうちに検査を受けている可能性があります。過去の結果票などを見返し、「HBs抗原」(B型肝炎)、「HCV抗体」(C型肝炎)という項目がないか探してみてください。また、2021年(令和3年)以降に受診した肝炎ウイルス検診の結果は、マイナポータルでも確認できます。もし、いずれの方法でも結果が分からない場合は、この機会に改めて検査を受けることを強くお勧めします。
もし「陽性」とわかったら? - 検査後の正しいステップ
「もし検査で陽性だったらどうしよう…」その不安こそ、検査から足を遠ざける大きな理由かもしれません。しかし、重要なのは、その後の正しい行動を知っておくことです。まずは、慌てずに落ち着いてください。陽性という結果は、適切な治療を始めるための重要な第一歩です。現在は、肝炎をコントロールしたり、完治を目指せる優れた治療法があります。
結果がわかったら、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。身近な「かかりつけ医」にまず相談するのは、とても良い方法です。かかりつけ医は、あなたの全身の健康状態を把握している頼れるパートナーです。
ただし、肝炎の精密検査や治療は専門性が高いため、最終的には「肝臓専門医」に診てもらうことが不可欠です。かかりつけ医に相談する際には、「肝臓の専門の先生に診てもらいたいので、紹介状を書いていただけますか?」と、自ら伝えることが大切です。これにより、スムーズに専門家による治療が可能となります。
詳しくは「肝ナビ」で検索してみてくださいね!
- 検査後「陽性」
- 身近な「かかりつけ医」に相談
- 専門医紹介を依頼
- 「肝臓専門医」に相談
肝炎・免疫研究センター研究センター長 / 肝炎情報センター長)
(出典1) 令和2年度 肝炎ウイルス検査受検状況等実態把握調査(国民調査)
(出典2) 肝がん白書令和4年度| 一般社団法人 日本肝臓学会
(出典3) Burden of chronic hepatitis B and C infections in 2015 and future trends in Japan: A simulation study
