周産期に係る検査
気を付けたい!
妊娠中の高血圧
妊娠中、特に気をつけたい病気の中に、
「妊娠高血圧症候群」という病気があります。
お腹の赤ちゃんとお母さんのために知っておきましょう!
おさえておきたいPOINTS
- 妊娠高血圧症候群は、妊娠中に高血圧になる病気の総称です
- 単に血圧が上がることが問題なのではなく、ときにお母さんも赤ちゃんも身体の状態が急に悪くなり、命に関わる危険があります
- 妊娠高血圧症候群は自覚症状を感じにくいので、妊婦健診でしっかりチェックしましょう
あなたは大丈夫?まずは妊娠高血圧症候群のリスクをチェック!
以下のチェックリストの項目に一つでも当てはまる方は「妊娠高血圧症候群」という病気のリスクが高いと言われています。
セルフチェックを行い、まずは病気について、今のうちに知っておきましょう。
妊娠高血圧症候群ってどんな病気?
妊娠高血圧症候群は、妊娠中に高血圧になる病気の総称です。
高血圧は、一般的に収縮期血圧 140mmHg以上あるいは拡張期血圧 90mmHg以上と定義されています。
そして、妊娠高血圧症候群は、妊婦さんの約20人に1人がかかると言われています1。
1)妊娠高血圧症候群の診療指針2021-Best Practice Guide-
「妊娠高血圧症候群」は4つの病状に分類されます。(病型分類)
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妊娠高血圧腎症
妊娠20週以降で初めて高血圧が認められた妊婦さんで、さらに蛋白尿が出る、
血液検査で腎臓や肝臓の機能が低下している、凝固障害がみられる、
赤ちゃんの発育や状態が悪い(子宮胎盤機能不全)などの臓器障害が認められる場合 -
加重型妊娠高血圧腎症
妊娠の初期(20週未満)から高血圧のある妊婦さんに、妊娠高血圧腎症のような
臓器障害が見られた場合、または腎臓の病気がある妊婦さんに高血圧が認められた場合 -
妊娠高血圧
妊娠20週以降に高血圧だけが認められる場合(臓器障害は認められない)
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高血圧合併妊娠
妊娠前または妊婦の初期(20週未満)から高血圧がある場合(臓器障害は認められない)
どんな症状が出るの?
妊娠高血圧症候群は、妊娠中に高血圧になってしまう病気ですが、単に血圧が上がることが問題ではありません。
症状が進行すると、ときにお母さんやお腹の赤ちゃんにも影響が出てきます。
どうやってわかるの?
「妊娠高血圧症候群」の検査の基本は、血圧測定です。
毎回の妊婦健康診査(妊婦健診)で血圧測定を行うのは、「妊娠高血圧症候群」にかかっていないかを確認するためです。
また、尿蛋白が出ていないかも毎回チェックします。
高血圧の原因や病態の把握のために、血液検査が必要になります。
赤ちゃんの状態も、超音波検査や胎児心拍数モニタリングなどで確認します。
最近では、近い将来に「妊娠高血圧腎症」が発症しないかどうかを、通常行うような血液検査で予測するsFlt-1/PlGF比(エスフルト・ワン/ピー・エル・ジー・エフ ヒ)という検査も使用されています。
どんな治療法があるの?予防は?
「妊娠高血圧症候群」の治療の中心は、高血圧やその他の原因となる疾患の治療です。
しかし、「妊娠高血圧症候群」が進行して妊娠を続けることが良くないと考えられた時には、たとえ赤ちゃんが早く生まれても妊娠を終わらせること、すなわち出産が一番の治療となってしまいます。
健康的な食事や運動を意識したライフスタイルをつねに心がけ、気になることがあったら一度、かかりつけの産婦人科医に相談してみましょう。
妊娠高血圧症候群についてもっと知りたい方へ
こちらのホームページに記載されている内容はpdfファイルでもご覧いただけます。
また、こちらでは日本妊娠高血圧学会の一般の方向けのページについてもご案内しております。
ぜひ、そちらもご覧ください。
「放置しないで!妊娠中の高血圧」
(監修:日本妊娠高血圧学会)